腰痛の原因について

2019年1月27日 2023年3月5日

みなさんこんにちは、院長の藤田です。
今回は当院にも多く来院されます腰痛の原因について記事にしていきます。

腰痛の原因には様々な疾患がありますが、医学界で最も有名なのはDeyoによる報告です。それによると、プライマリーケアの現場において腰痛の85%は「非特異的腰痛」とされ、明確な原因が不明であるとされます。

しかし、近年の診断精度の向上、疾患概念の確立により、現在は逆に8割が診断可能であるとされるようになってきました。症状と理学所見、レントゲン検査で多くの腰痛が診断可能であると考えられています。

腰痛をきたす疾患のうち、最も多いのが筋筋膜性腰痛症（MPS）であり、姿勢や職業関連、筋力低下に基づいているため、運動指導や姿勢指導が有効です。

また、筋弛緩薬や漢方薬、トリガーポイント注射も有効な場合が多いです。次に多いのは、椎間関節性腰痛であり、リハビリテーションに加え鎮痛薬や椎間関節ブロックで治療します。

腰の低い位置に来る腰痛では仙腸関節性腰痛もあり、リハビリテーションや鎮痛薬の使用で鎮痛が不十分な場合には、仙腸関節ブロックが行われます。そのほかで腰痛を起こす疾患には、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、圧迫骨折などがありますが、実際には少数派です。

腰痛の診断方法

身体を前後に曲げる方法と背中を押して痛む場所を確認する方法は、ある程度ご自身で診断を絞り込む方法として有用です。

前に屈んで痛みが出る場合、腰椎椎間板ヘルニアやMPS、仙腸関節性腰痛が疑われます。

後ろに屈んで痛みが出る場合、脊柱管狭窄やMPS、椎間関節性腰痛が疑われます。

背中を触って、真ん中に触れる背骨を押して痛む場合は椎間関節性腰痛が疑われますし、真ん中よりも左右に離れた範囲が痛い場合はMPSを疑います。

より治療効果を高めるには正確な診断が必要です。確実に腰痛を治療するには、正しい診察と診断が必要なので、なかなか治らない腰痛は医療機関へご相談ください。

治療法としては前述のとおり、運動指導や姿勢指導、リハビリテーション、鎮痛薬、漢方薬、トリガーポイント注射、椎間関節ブロック、仙腸関節ブロックが挙げられます。