星状神経節ブロック

星状神経節ブロックとは

星状神経節ブロックは、痛みを取るための治療の一つです。注射療法の一種で、頸部にある星状神経節に局所麻酔薬を注入する治療法です。

星状神経節は、交感神経の根元に相当します。交感神経は自律神経の一種で、元々は外敵から身を守るために筋肉を緊張させ血圧を上昇させる働きを持っています。しかし、慢性疼痛があると、その部位の交感神経が緊張してさらに痛みを増強させてしまうという悪循環が生じます。

星状神経節ブロックを行うことで、交感神経がブロックされ、血流が再開することで支配領域の痛みを緩和することができます。

星状神経節ブロックの方法

星状神経節は首の前面、輪状軟骨（のど仏の下にある軟骨）の左右に存在しています。

ブロックを受ける方は、ベッドで仰向けになり首を伸ばした状態になります。首を消毒し、清潔にした状態で、医師が頸部を圧迫し、総頚動脈をよけながら、目的の神経節まで針を刺入します。

重要な臓器や構造物が頸部には集中しているため、それらを誤って穿刺しないように超音波検査機器で確認しながらブロックを行うこともあります。

神経節は皮膚からだいたい1〜1.5cmの深さに存在しますので、ごく浅い部分のブロックとなります。

ブロック後は、各種合併症を確認するため、30分程度ベッドで安静にしていただきます。

星状神経節ブロックの合併症

星状神経節ブロックには、以下のような軽微な合併症があります。

• ブロック針を刺したところからの軽い出血
• 皮下出血、あざ
• 交感神経ブロックによる血圧低下
• 消毒薬に対するアレルギー（皮膚の発赤）
• 腕神経叢ブロック（腕の動きにくさ）
• 横隔神経ブロック（片側の横隔膜が動きづらくなる）
• Hornel徴候（ブロック側の瞼が重くなる）

重篤な合併症には以下のようなものがあります。

• 局所麻酔中毒（10000例に1.2〜11例程度）
• 頸部膿瘍
• 頸部血腫

当院では、硬膜外ブロック後には、重篤な合併症を早期に発見するため30分ほど処置室のベッドで安静にしていただいております。

ご自宅に帰られて何か異常を感じた際には、当院までご連絡をお願いいたします。