坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とは、殿部から大腿の後ろやふくらはぎにかけて痛みを生じる疾患です。この痛みは、重だるい感じがするほか、チクチクやビリビリといった痛みが生じることがあります。

 

もし、このような症状を感じている場合、坐骨神経痛の可能性があります。しかしながら、坐骨神経痛は病名ではなく、一症状を表す用語であるため、その原因を治療する必要があります。

 

坐骨神経痛を引き起こす疾患はいくつかあり、その治療方法も異なります。適切な治療を受けることで、痛みを軽減させることができます。しかし、坐骨神経痛は一般に難治性であり、持病として痛みと長年お付き合いされている方も多くいます。

 

坐骨神経痛に悩まされている場合、早めに医師に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。

坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛には、腰椎からのものと臀筋(お尻の筋肉)からのものの2種類があります。

腰椎からの坐骨神経痛

  • 原因:腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症
  • 症状:坐骨神経領域に痛みが生じます。
  • 診断方法:レントゲン検査で原因を特定し、必要に応じてMRIを使います。

臀筋からの坐骨神経痛

  • 原因:梨状筋症候群
  • 症状:坐骨神経が圧迫され、痛みが生じます。
  • 診断方法:Freibergテストが重要で、股関節を屈曲した状態で内旋すると、梨状筋が緊張し痛みが生じます。梨状筋症候群の場合は、腰椎レントゲン検査で他の原因は除外しておきます。
  • 医師が正確な診断をつけるために、必要に応じてMRIを使います。MRIは、脊柱管や神経根の状態を詳しく調べることができます。

坐骨神経痛の治療

坐骨神経痛は、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因で、坐骨神経が圧迫されることで生じる痛みです。

薬物療法

坐骨神経痛の薬物療法では、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬を使用します。症状が強い場合には、神経障害性疼痛としてプレガバリンによる治療が必要な場合があります。

リハビリテーション

梨状筋症候群の場合、臀筋の筋緊張を和らげるために、ストレッチを行ったりして鎮痛を図ります。腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の場合には、体幹部トレーニングや下肢のストレッチなどを行います。

神経ブロック療法

腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症がある場合、神経ブロック療法を行うことがあります。特に腰部硬膜外ブロックが有効であり、疼痛の強さや頻度を強力に抑えることができます。梨状筋症候群には、梨状筋ブロックを行うことがあります。超音波検査で殿部を観察し梨状筋を同定します。梨状筋に対して局所麻酔薬を注入することで鎮痛を図ります。坐骨神経が非常に近いため、注意が必要です。

まとめ

坐骨神経痛は、殿部から大腿裏やふくらはぎにかけて痛みを引き起こす疾患です。原因は、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの腰椎由来と、臀筋群の一つである梨状筋症候群などの臀筋由来があります。

 

坐骨神経痛の治療には、薬物療法、リハビリテーション、神経ブロック療法があります。薬物療法では、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬が使用されます。リハビリテーションでは、臀筋の筋緊張を緩和するストレッチなどが行われます。また、神経ブロック療法では、腰部硬膜外ブロックや梨状筋ブロックが有効です。