椎間板ヘルニアとは
腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎の椎間板の中の線維輪に亀裂や断裂が起き、髄核や線維輪が周囲に飛び出し、神経根や馬尾を圧迫して障害を生じる疾患です。
20〜40歳代に多く発生します。主な症状は、腰痛、下肢痛、下肢のしびれ・筋力低下、膀胱・直腸障害です。
椎間板ヘルニアの治療
椎間板ヘルニアの治療は、薬物療法、リハビリテーション、ブロック療法をはじめとする保存療法がまず選択されます。
保存療法の有効率は44〜86％と言われています。
薬物療法
薬物療法では、アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛薬、プレガバリンが使用されます。プレガバリンは神経障害性疼痛に対して用いられる第１選択薬です。
MRIによる調査で、ヘルニアが自然消失あるいは縮小することが分かっているため、ヘルニアがなくなり症状が消失するところまで薬物療法を継続し症状を和らげます。ただし、腎機能、肝機能障害がある場合は薬物療法ができない場合があります。
リハビリテーション
リハビリテーションでは、体幹部の筋緊張を和らげるように、ストレッチを行ったり、腰部にコルセットを使用して局所の安静を図ります。
ブロック療法
腰椎椎間板ヘルニアに対して有効なブロック療法に腰部硬膜外ブロックがあります。薬物療法、リハビリテーションが無効な症例や、症状が強く日常生活にまで影響のある場合にブロックを用います。
外科的治療
これらの保存療法を2〜6ヶ月間行っても症状が消失しない場合、外科的治療が考慮されます。
また、発症初期であっても、下肢の著明な筋力低下・感覚低下、膀胱・直腸障害を認める場合は緊急手術となることがあります。
椎間板ヘルニアについてまとめ
腰椎椎間板ヘルニアは、腰痛、下肢痛、下肢のしびれ・筋力低下、膀胱・直腸障害を引き起こす疾患です。
保存療法の有効率は高く、2〜6ヶ月の継続で治療が可能です。外科的治療は、症状が強く日常生活にまで影響がある場合や、保存療法が無効な場合に考慮されます。
